BTCは今週で30%上昇、調整売りに警戒も上昇トレンドは継続か

松嶋真倫

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Crypto Market Weekly 5月17日号

  • BTCは上昇トレンド継続しBTC=88万円(8,000ドル)を突破、週末にかけてはアルトコインへの資金移動により上値が重くなったが、週足では30%を超える大幅上昇となった。
  • 主要通貨(ETH,XRP,BCH)をはじめ、大型アップデートCatapult実装への期待が高まったXEMなどがBTC建てで強い動き。
  • 来週は緩やかながら上昇基調継続となるか。ただし、調整局面での急落には警戒が必要であり直近下値として見られるBTC=84万円(7,700ドル)を下回るとBTC=80万円(7,300ドル)まで下落することも考えられる。

今週の相場動向

相場回顧 BTC:上昇トレンド継続しBTC=88万円(8,000ドル)を突破

BTCは上昇トレンド継続しBTC=88万円(8,000ドル)を突破した。週末にかけてはアルトコインへの資金移動により上値が重くなったが、週足では30%を超える大幅上昇となった。

先週に米中貿易摩擦への懸念が再燃したことを受け、今週も株式市場は下落基調となった。4月末以降、急上昇を見せる仮想通貨市場とは逆に、株式市場は世界的な株安状況が続いている。このような状況下、投資家の仮想通貨への関心が高まり市場への資金流入が急速に進んでいる。

BitMEXの日次取引高やCMEのBTC先物契約数が過去最高を更新したこと、BTC取引高(CoinMarketCap)が急増していることからもそのことが読み取れる。このタイミングでConsensus 2019をはじめBLOCKCHAIN WEEKイベントがニューヨークで開催されたことも投資家の注目を集める一因となっただろう。

今週はBTCからアルトコインへの資金の流れも強まった。多くのアルトコインがBTC建てで上昇する中、Deloitteのプロジェクト立ち上げが示唆された時価総額2位のETHやCoinbaseがニューヨーク住民への取引サービスの提供を開始した時価総額3位のXRP、問題は起きながらもハードフォークが行われた時価総額4位のBCHをはじめ、大型アップデートCatapult実装への期待が高まったXEMなどが強い動きとなった。

今週のトピックス

  • Ethereum開発者向けイベントDevconの今年度開催地が大阪に決定。(5/10)
  • NEM財団がCatapult実装に向けウォレット企業と提携。(5/10)
  • Binance Labsが仮想通貨Grinのウォレット開発を支援。(5/12)
  • BitMEXの日次取引高が過去最高を記録、CEOが発表。(5/12)
  • グロービス経営大学院がブロックチェーンを活用したデジタル修了証明書の発行を開始。(5/13)
  • Bitfinexが独自通貨LEOのプライベートセールで10億ドルを調達、CTOが発表。(5/13)
  • BakktがBitcoin先物取引の開始に向けたテストを2019年7月に行うと発表。(5/13)
  • Coindesk主催Consensus 2019がニューヨークで開幕。(5/13-15)
  • CMEのBitcoin先物契約数が過去最高を更新。(5/13)
  • MicrosoftがBitcoinベースの分散型IDネットワークのプレビューを発表。(5/13)
  • Coinbase、対象外となっていたニューヨーク住民もXRP取引が可能に。(5/13)
  • Kakao傘下のGround Xが独自ブロックチェーンKlaytnを6月ローンチ予定と発表。(5/13)
  • シュツットガルト証券取引所がXRPとLTCに連動したETNを上場。(5/13)
  • 米SECがBitWiseの申請した仮想通貨ETFに関する審査期限を再び延期。(5/14)
  • BitGoがオフチェーンでの清算決済サービスを開始。(5/14)
  • Coinbaseがサービス対象国を103ヶ国に拡大、USDC取引可能国は85ヶ国に。(5/14)
  • ブラジル銀行Banco BradescoがCorda基盤の貿易ネットワークMarco Poloに参加。(5/14)
  • Liquidが合弁会社 Liquid Financial USA Inc.を設立し米国市場進出を発表。(5/15)
  • NEM Catapultにおける「ネームスペース」と「モザイク機能」のアップデートが発表。(5/15)
  • ハッキング被害に遭ったニュージーランド拠点の仮想通貨取引所Cryptopiaが破産手続き開始。(5/15)
  • Bitcoin ABC(BCH)、ハードフォーク時に異常が発生し各取引所が入出金を停止。(5/15)
  • Binanceがメンテナンスを終えハッキング事件後停止していた入出金を再開。(5/15)
  • Coinbase Custodyの預かり資産総額は10億ドル以上、CEOが発言。(5/15)
  • LVMH, ConsenSys,Microsoftが共同で検証プラットフォームAURAを開発。(5/16)
  • NY州最高裁が検事局による差止命令の修正を求めるBitfinexの申し立てを認可。(5/16)

来週の相場予想

BTCはボラティリティが高まる中、緩やかながら上昇基調継続となるか

株式市場の不安に伴う資金流入の勢いは一服した感があるが、今週のカンファレンスでCoinbaseのCEOが明言したように、機関投資家の参入は着々と進んでおり上昇基調は継続すると予想する。しかし、ここ数週間の価格上昇が急すぎることから、短期筋による売買が激しく、調整局面での急落には警戒が必要である。また、アルトコインへの分散により上値が抑えられる面もあるだろう。

直近上値としてBTC=91万円(8,300ドル)を超えられるかに注目。下値としてはBTC=84万円(7,700ドル)を意識し、それを下回るとBTC=80万円(7,300ドル)まで下落することも考えられる。

来週のトピックス

  • Dent (DENT), Holo (HOT),Status (SNT)含む9通貨が韓国取引所ProBitに新規上場。(5/20)
  • Enjin Coin (ENJ)含む9通貨が韓国取引所ProBitに新規上場。(5/21)
  • Holo (HOT)がYoutubeでAMAを実施。(5/23)
  • AI & BLOCKCHAIN SUMMIT 2019がマルタで開催。(5/23-24)
  • Verge (XVG)がロッテルダムでミートアップを開催。(5/25)

業界関連動向

規制動向 Coinbaseがニューヨーク州でXRP取引の提供を開始

5/14、米仮想通貨取引所Coinbaseがニューヨーク州居住者に対しても、同社のアプリ上でXRPペア取引を正式に開始することを発表した。

同社は今年2月にXRP取引の新規受付を開始していたが、金融ライセンスを含めた厳格な規制基準を設けるニューヨーク州とイギリスの居住者は対象ユーザーから外れるといった対応を取っていた。

ニューヨーク州は全米で最も仮想通貨に対する規制が厳しい州と言われている。同州の金融サービス局(DFS)は、通称『ビットライセンス』という仮想通貨ライセンス・送金ライセンスの取得を州内で仮想通貨関連業務を行う必須条件としている。ライセンスを取得した企業も定期的な検査を受ける必要があり、コンプライアンスや業務の重大変更、支配権の変更要件などが金融監督下に置かれる。加えて、XRP訴訟問題も影響しこれまで米国内の取引所はXRPの取扱いに対して慎重な姿勢を示してきた。

その中で今回、大手取引所Coinbaseがニューヨーク州にサービスを提供し始めたことは大きな意味を持つ。他が追随し世界経済の中心であるウォール街においてXRP取引が活発化すれば、仮想通貨市場全体に対して大きな資本が流れる傾向に、後押しをする可能性がある。

技術動向 NEM財団がカタパルト実装に向けてウォレット開発へ動き出し

5/10、NEM財団はNEM SP(Service Provider) Programの最初の提携先として、Hatio Innovations Private Ltd.と提携を結ぶことを明らかにした。

プロジェクト名は、Catapult Mobile WalletでオーナーはNEM財団になる。同プロジェクトは、NEMのメジャーアップデートとして期待されるカタパルトを実装するのに不可欠な、使いやすくて機能が豊富なウォレットを開発することを目的とする。

Hatio Innovations Private Ltd.はインドのペイメントアグリケーター大手BILLDESKの100%子会社で、ブロックチェーン技術の先駆者となることをビジョンとしている。事業内容としては、ブロックチェーン技術に関するソリューション提案やデジタルアセットの取引、B2Bウォレットや顧客サービスなどをしている。今回のプロジェクトでは、12の候補のうちから選ばれた。

NEMのカタパルトは当初2018年にローンチされる予定であったが、開発進捗が不透明のままローンチが先延ばしになり、コミュニティ内では不信感も高まっていた。しかし、今年に入ってNEMは、組織再編そしてカタパルトの具体的なロードマップの公開を行い、カタパルト実装に向けた開発体制を整えた。

今回の発表に加えて、5/15にはカタパルトにおける「ネームスペース」と「モザイク機能」のアップデートも発表されている。まずはテストネット公開予定となる2019Q3にかけての開発進捗に注目したい。

個別企業動向 ニュージーランド拠点の仮想通貨取引所Cryptopiaが破産申請

5/15、ニュージーランド拠点の仮想通貨取引所Cryptopiaがトレーディングを停止し、破産手続きを開始したと発表した。

Cryptopiaでは、破産手続き開始を発表するまでの数時間前からトレーディングができなくなっていた。同社は「コスト削減と利益追及に向けた経営努力をしてきたが、破産の清算人を任命することに決定した。それが消費者やスタッフ、他のステークホールダーのためだ。」と述べている。
Cryptopiaは、1月中旬に1600万ドル(約17億8500万円)のハッキング被害に遭い取引を停止した。しかし、事前に巨額資金が所持者不明のウォレットに送金されていたことなどから、ハッキング被害は自作自演であり、トレーダーの預金を奪う出口詐欺(Exit Scam)ではないかと疑いの声が上がっていた。この時失われた資産の調査には今後数ヵ月かかると見られており、ユーザーの不安はしばらく続きそうである。

こうした取引所トラブルはたびたび起こっており、有名なものはMt.Gox事件とCoincheck事件だ。その当時はハッキング事件により過熱していた相場は一気に冷え込んだ。しかし、今年に入りCryotopiaや大手取引所Binanceのハッキング事件が起きながらも、今の上昇相場は変わらずに続いている。その要因として、被害額の規模が小さいというのはあるが、 取引所のハッキング対策もユーザー側のハッキングへの心理的耐性 も最近 改善されてきたとこともありそうだ。

コラム 欅坂3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE東京で目にした“ハードフォーク”

2019年5月11日、私は日本武道館で行われた欅坂46の3周年記念ライブの千秋楽に参加した。2月に参加した乃木坂46に続いて2度目となる“アイドル”のライブ参加だ。また前回のようにサイリウムを持って会場全体で盛り上がりながら、欅坂46らしいカッコいいパフォーマンスを見ることができるのだろう、くらいに当日を迎えるまでは思っていた。しかし、そこで目にしたものは欅坂46としてのこれからを示す“ハードフォーク”であった。

「以上、欅坂46でした!」

オープニングにふさわしいアップテンポの曲が終わると彼女たちは退場した。あれ、と一瞬戸惑ったが、すぐさま会場内ではアンコールが始まった。どうやら、その曲は先月に行われた大阪公演での最終楽曲で、東京公演と繋ぐ意味での演出だったらしい。しばらくすると本編開始を告げる「Overture」が流れ始め、みんなが大きな歓声を上げた。「オー」のかけ声と欅カラーである緑のライトが会場を埋め尽くし、待ちわびた瞬間がもうすぐ訪れる興奮に私は襲われた。

本編が始まってからは会場全体が欅坂46の世界観に徐々に引き込まれていった。序盤はファンの間でもアイドルのステージという認識がまだ強かったのだろう。カッコいい歌・ダンスをステージ上で繰り広げる彼女たちに対し、アイドル特有のコールで貢献しようとする人たちが多く存在した。要所要所で「オイ!」あるいは「フー!」の声が沸き上がる。乃木坂46のライブでも見た光景だ。私も最初はお手本通り周りに合わせて恥ずかしげもなく声を出していた。

しかし、ライブの終盤にかけて声の数は自然と減っていった。欅坂46のライブにコールなんて必要ない、彼女たちが作り出す一曲一曲の世界感に私たちは没頭しなければならない。あの時会場にいたほとんど全ての人がステージを見てそう思っただろう。世界で活躍するダンサーTAKAHIROによる独創的な振り付けもあってか、楽曲が伝える「自分らしくあれ」「既成概念からの脱却」などといったメッセージ性がステージ上では見事に表現され、まさにアートと呼ぶにふさわしいパフォーマンスであった。会場内のコンセンサスがとれると、気づけばみんながコールではなく拍手で彼女たちを称えるようになっていた。

今回のライブで欅坂46は通念的なアイドルから完全に“ハードフォーク”したように思う。彼女たちをアイドルとして支持する“マイナー”によって“アイドルチェーン”はしばらく稼働するかもしれないが、すぐに“マイナー”の移行が進み、今回新しく生まれた“欅坂46チェーン”がメインになるに違いない。メンバー自身もライブで口にしていたが、グループとしてのアイデンティティを全面にファンに知らしめた3周年記念ライブであった。

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