ビットコイン=100万円の次の節目は1万ドル:FBの議論とG20警戒で下げるなら買い場

大槻奈那

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  • 日本株がぱっとしない一方で暗号資産は好調。ビットコインは、もみ合いながらも100万円を突破、この半年で2.6倍に。様々な投資家の市場参入期待が価格を押し上げている。
  • FacebookのLibraやLineのLink等の新通貨発行がその例。また、失業率やインフレ率が高い新興国の暗号資産保有も進んでおり、今後、政情不安や金融緩和次第で流入が増える可能性も。
  • ビットコインの口座数増加と価格の間には緩やかな正の相関があり、1万口座増加するごとに140ドル程度上昇すると概算される。フェイスブックの22億人の口座や、新興諸国からの暗号資産市場参入は、潜在的には大きな価格押し上げ要因となりうる。
  • 次の節目は1万ドル。Libraへの米議会の反発や、来週末のG20での規制議論で、いったん調整する可能性が高い。しかし、Libra参加メンバーの豪華さは、そのまま世界の企業の暗号資産への関心の高さを示す。たとえFacebookが米国で否認されても、類似の取り組みが世界のどこかで早晩出てくるだろう。FBの議論とG20警戒で下げるなら買い場となるだろう。

暗号資産の価格好調:背景にあるのは、市場参加者の拡大期待

米ダウ平均が史上最高値を付ける中、日本株はぱっとしない。そんな中、好調なのが暗号資産である。中でもビットコインは、もみ合いながらも100万円を突破し、年初から本日までの約6か月で、価格は2.6倍となった(図表1)。

こうした暗号資産の価格を押し上げている要因の一つが、市場参加者の拡大期待である。

投資家層の拡大期待その1:SNSプラットフォーマーの参入期待

とりわけ、先週、Facebookが「Libra(リブラ)」という新しい暗号資産の発行を発表したことが市場を賑わした。

Libraプロジェクトには、Visa, MasterCard, Paypal, Uber, Vodafone, Sportify, Paypal等、金融その他の名だたる企業たちが名を連ねる(図表2)。Facebookの利用者は24億人といわれ、そのわずか数%が利用するだけでも1.3億人規模の暗号資産の市場を大きく動かす可能性がある。

また、日本のLINEも、近々仮想通貨交換業の登録が認可され、独自通貨「LINK」を発行する可能性があると昨日報じられた。LINE側は現時点では、決定した事実はない、としている。LINEの利用者数は2.1億人程度とフェイスブックの10分の1程度だが、既にペイメントサービスをスタートしているので利用のハードルはフェイスブックより低いかもしれない。

投資家層の拡大期待その2:新興国からの資金の増加

更に足元で、依然絶対額は少額ながら、新興国からの資金流入が、活発になっている(図表3)。例えば、足元で、大規模なデモが行われている香港や政情不安が続くベネズエラでは年初来の資金流入額が5~9倍にも膨らんでいる。


そもそも、これらの新興国は、先進国よりも暗号資産を使ったり投資したことがある人々の割合が高い(図表4-1)。国別に見ると、暗号資産保有者の割合は、失業率やインフレ率が高い国ほど、高い傾向がみられる(図表4-2)。今後、政情不安によって失業率が上昇したり、金融緩和によってインフレ率が上昇した場合には、暗号資産の口座の拡大に繋がる可能性がある。


暗号資産のユーザーの増加がビットコイン価格に与える影響

これらの要素によって利用者数が増加した場合、暗号資産の価格にはどの程度の影響があるのか。
ビットコインのユニーク口座数と価格の関係を見ると、相応に正の相関がみられる(図表5)。このデータからざっくりと推計すると、ユニーク口座が1万口座増加するごとに概ね140ドル程度ビットコイン価格が上昇するという関係がみられる。

Facebookの利用者数24億人のうち、仮に、1%がLibraを利用した場合、約2400万人の口座が生まれる計算となる。Libra自体は値動きが少ないステーブルコインで、ドル、ユーロ、円などの主要通貨のバスケットに連動する。これでは値上がり益はあまり期待できないため、Libra口座からビットコインに投資した場合、現在1.3億人程度とされるビットコインの利用者が大幅に増加する可能性がある。上記の相関関係を利用して試算すると、2400万人の利用者増加で、ビットコイン価格は1700ドル程度、すなわち現値から19%程度押し上げられる可能性がある。
同様に、LINE等各種SNSや新興国からの参入が増加した場合、価格を押し上げる力はさらに強まるだろう。

当面のビットコイン価格見通し:次の節目は1万ドル。世界的な関心の強さは明らかで、調整局面は買い場となるかも

次の節目は1万ドルである。FacebookのLibraについては米議会の反発が強い。来週末の大阪G20サミットでも暗号資産に対し、厳しい規制議論行われるだろう。これらのニュースで、それでなくてもスピード違反気味だったビットコイン価格は一旦調整する可能性が高い。
しかし、Libra参加メンバーの豪華さは、そのまま世界の企業の暗号資産への関心の高さを示す。たとえLibraが米国で否認されても、早晩、類似の取り組みが世界のどこかで出てくるのはほぼ間違いない。そのような形で暗号資産の市場が拡大すれば、価格も自然に押し上げられるだろう。足元の調整局面は、良い買い場となるかもしれない。

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