材料不足の中、BTC=40万円で反発上昇できるかに注目 Crypto Market Weekly 12月28日号

松嶋真倫

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今週の相場動向

相場回顧 株式市場の混乱により上昇基調に乗れず

BTCは前週の上昇を受け短期筋による売りが先行したが、その後は上昇期待から買い優勢となりXRPの急騰もあってBTC=47万円付近まで上昇した。

しかし、クリスマスにかけて米国情勢への不安から株式市場が大幅下落すると、リスクオフの動きから仮想通貨市場においても売りが強まり一時BTC=40万円まで下落した。株式市場の持ち直しにより価格は下げ止まったが、その後BTC=42万円付近で横ばい推移となり週足では7%の下落となっている。年末にかけてのショートポジション解消もまた下げ圧力になったと思われる。

XRPはBinanceがXRP基軸の通貨ペアを追加すると発表したことを受け一時的に急騰したが、週足では小幅下落となった。

主要通貨が揃って下落する中、ETHは12/23-24にかけてショートポジションの解消が進み買い優勢となった。OKEXが先物取引に似たPerpetual Swap取引の提供を開始したこともあり週足では10%超の上昇、BTC建てでも大きく上昇している。

今週のトピックス

  • 中国広東省のフィンテック経済特区が運営開始。(12/21)
  • 韓規制当局、国内取引所Upbitの関係者3人を起訴。(12/21)
  • 米半導体Nvidia、第4四半期で株価が50%超の大幅下落。(12/21)
  • 金融庁、仮想通貨交換業等に関する研究会の報告書を公表。(12/21)
  • Tokensoft、カストディサービスでCoinbaseと提携。(12/21)
  • Bitfinex、Tetherを使った証拠金取引サービスの提供を開始。(12/21)
  • Bakktの取引プラットフォーム立ち上げ延期の可能性が浮上。(12/22)
  • Bitmain社、BTC価格下落を受け従業員を大幅解雇か。(12/24)
  • 伊規制当局、仮想通貨関連プロジェクトに業務停止命令。(12/24)
  • Binance、XRP基軸の取引ペアを追加すると発表。(12/24)
  • Bithumb、ハッキング被害で争われた訴訟裁判で勝利。(12/24)
  • GMOインターネット、仮想通貨マイニング装置の開発販売事業から撤退。(12/25)
  • DMMグループ、仮想通貨取引所「cointap」のリリース中止を発表。(12/25)
  • みずほ銀行、来年3月に独自のデジタル通貨発行へ。(12/26)
  • Mt.Gox元社長、業務上横領の罪が問われた最終弁論で無罪主張。(12/27)
  • 日本仮想通貨ビジネス協会とブロックチェーン推進協会が連携。(12/27)
  • 株式会社セレス、国内交換業者Xthetaと資本提携を発表。(12/27)
  • クウェート国立銀行、RippleNetを使った国際送金サービス立ち上げ。(12/27)

来週の相場予想

来週の相場予想

BTC=40万円で反発上昇できるかに注目。

前週の上昇を機に上昇トレンドに入るかに思われたが、株式市場の混乱によりその期待は裏切られた。それまでに積み上げられたロングポジションもクリスマス以降急減し市場のセンチメントは再び後退している。

その中で、年始には取引所への入金が制限され取引主体も個人投資家が中心となることから、価格変動は限定的になると考えられる一方で、市場参加者が少なく大口投資家による仕掛け売買がしやすいとの見方もできる。直近の支持線を下回れば売り圧が急速に強まる可能性はあり、年始も気の抜けない状況が続くだろう。

企業動向が落ち着き新しい材料も期待できない中、直近上値と見られるBTC=42万円とのレンジ相場になると読むのが妥当か。

来週のトピックス

  • ETC、EVMアップグレード予定。(12/31)
  • Stellar、Lightning技術サポート予定。(12/31)
  • NEM、Catapultのオープンソースおよび商業ライセンス化予定。(12/31)
  • CARDANO、ロードマップアップデート。(1/3)

業界関連動向

規制動向 UAEは規制導入検討も仮想通貨に対して友好的な姿勢

12/21、UAE金融規制当局(SCA)は来年前半にICO規制を導入する予定であると地元紙が報じた。

報道によれば、SCAはICOが国内の中小企業にとって有効な資金調達手段であると考えており、取り締まりの為の法的枠組みを設けるだけではなく規制サンドボックス制度も導入する方針である。また、アブダビ証券取引所とドバイ金融市場と協力してICO取引プラットフォームを開発する計画もあり、SCA委員長が「私たちの市場は世界中の企業に開かれている」と述べるように、ICOに対しては友好的な姿勢を示している。

UAEは最近になって仮想通貨・ブロックチェーン領域での活動を強めている。中央銀行がサウジアラビアとの両国間取引で使える独自通貨の発行を計画しているとの報道や国内商業銀行が世界で初めてブロックチェーンを用いたイスラム債券取引を実施したとの報道も見られ、今後アラブ地域におけるこの業界の重要国となることは間違いないだろう。

技術動向 BTC価格低迷の裏で普及が進む2ndレイヤー技術

BTC価格が低迷する裏で、BTCの2ndレイヤー技術であるLightningNetwork(LN)の普及が進んでいる。

LNとは、個々のユーザーがブロックチェーン外にノードと呼ばれる島を作り通信網(チャネル)を形成することで、ノード間での高速少額決済を実現する技術である。BTCは実用化を検討する上で取引処理速度の遅さや取引手数料の高さが問題とされているが、この技術により、多頻度の取引であっても最初と最後の取引だけがブロックチェーン上に記録される為、これらスケーラビリティの問題が大幅に改善されると期待されている。ブロックチェーンエクスプローラーサイトbitcoinvisuals.comによれば、今年11月以降LNのネットワーク容量が大幅に拡大している。ネットワーク内のデポジット高は年初の1BTCから500BTCへ、チャネル数も100から14,000にまで増えている。

LNの実用化に向けた技術開発は世界的に現在進行形で行われており、国内においてもNayutaやHashhab等Lapps(LNを用いたアプリ)開発に励む企業は増える傾向にある。

個別企業動向 CoinbaseのCEOが資産家だけが名を連ねる寄付啓蒙活動に参加

米国大手取引所CoinbaseでCEOを務めるブライアン・アームストロング氏が仮想通貨業界の起業家として初めて億万長者だけが参加する寄付啓蒙活動GivingPledgeに参加した。

この活動は2010年にマイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏と著名投資家のウォーレン・バフェット氏が富裕層の寄付行為を促す目的で始めたもので、これまでもイーロン・マスク氏やマーク・ザッカーバーグ氏、マイケル・ブルームバーグ氏といった名だたる資産家が参加している。

参加者は公式ウェブサイト上で総資産の半分以上を慈善事業に寄付することを宣誓し、ブライアン氏もまた活動参加への想いを述べている。その中で挙げられたように、ブライアン氏は今年6月にGiveCrypto.orgという仮想通貨を使った途上国支援を行う慈善事業を立ち上げており、今後も個人として様々な慈善活動に取り組んでいくと思われる。仮想通貨業界からこのような資産家が生まれたことは業界全体にとっても価値あることと言えるだろう。

コラム ICO基準を定めることの必要性

あなたを解雇します。突然のリストラ宣告。私はこのような場面をドラマや映画でしか見たことがないのだが、実際にリストラを経験した人の心情を思いやると心が痛くなる。これだけ会社に尽くしたのに、なんで私が。解雇理由が労働者個人に起因するものであれば仕方がないと思えるかもしれないが、会社都合の場合には誰もが最初は納得がいかないだろう。仮想通貨業界では後者による従業員の解雇が相次いでいる。BTC価格の下落により会社の資産価値や収益性が低下したことで、大手マイニング会社Bitmainや技術開発企業Consensys、ICOプロジェクトSteemit等多くの会社が経営体制の見直しを迫られているのだ。

BTC価格の下落が本源的な解雇理由であるとするならば、それは果たして妥当と言えるのだろうか。仮想通貨業界は分散化を理想に掲げながらも実際はBTCの中央集権的な世界となっている。マクロで見た時には現実世界の方が遥かに分散的と思える程にBTCが業界全体に与える影響は大きい。実体のない共同幻想に人が踊らされているという意味では資本主義的であり、その中でBTCの価格変動をビジネスにおける外部要因と捉えれば、今回の一連の従業員解雇の流れは妥当と言えるのかもしれない。もちろん、リストラ宣告された当人たちは不満を抱くだろうが。

BTC価格の下落が会社にとっての不可抗力であるとした上で考えさせられるのは、IPO審査のような企業体力を測る意味でのICO審査というものが、やはりある程度の基準で必要なのではないかということである。従来の株式会社は株価に応じて資産価値が上下するが、少しの変動では影響が出ない程に企業体力が確保されている。その点、ICOはベンチャー的な体力で事業を進めていく為、少し強い風が吹いただけで経営が傾いてしまう。リスク資産(トークン)と安全資産の保有割合をどうするかという話もあるが、ICOを行うボーダーを設定しないことには今後もBTC下落局面で倒産あるいはリストラに遭う数は減らず、根本的な問題解決には向かわないだろう。

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