1月21日、韓国の仮想通貨取引所Coinnestがビットコインやその他の仮想通貨を約60億ウォン(5.8億円相当)分流出させていたことが明らかになった。Coindeskが報じた。
報道によれば、Coinnestは1月18日にWe Game Tokens(WGT)と呼ばれる通貨を取引所ユーザーにエアドロップ(プロジェクトへの認知を図り、無料で仮想通貨を配布すること)する予定だったが、コンピューターサーバーのエラーが発生しビットコインなどの別の通貨を誤って配布してしまったという。
事態発覚後すぐにCoinnestは送金情報のロールバック(巻き戻し)を行い、翌日1月19日にはサーバー問題は解決された。しかし、誤配布により通貨を受け取ったユーザーの中には市場で売りに出してしまった人や別のウォレットに移してしまった人もおり、流出額の半分は未だ回収できていない。現在Coinnestはユーザーに対して受け取った資金を返すように求めている。
今回の事件に関して、韓国では法的な議論も巻き起こっている。「取引所の規定に異常事態発生時の対応に関する記載があれば、ユーザーへの返金要求も何ら問題は無い」と述べる法律専門家がいる一方で、「サーバーのエラーは取引所の過失によるものであり、今後ユーザーに対して被害補償が必要になることも考えられる」という意見も見られた。Coinnestは今回のサーバー問題によって発生した損失をユーザーに補償する予定はないという。
その他、Coindeskは、今回の流出によって、WGTの代わりにビットコインを受け取ったユーザーの一部がそれをすぐに売却した為、「フラッシュクラッシュ」と呼ばれるごく短い期間において価格が急落する状態に陥ったと指摘している。
今月初めの報道で、韓国の仮想通貨取引所の3分の2が政府が定めるセキュリティ基準を満たしていないことが報じられた。同調査では21の取引所を検査し、クリアした取引所はUpbit、Bithumb、Gopax、Korbit、Coinone、Hanbitco、Huobi Koreaの7社で、今回問題になっているCoinnestは含まれていない。