ソフトバンクグループが第三四半期決算短信を発表し、半導体製造大手エヌビディア社の穂保有する全ての株式を売却したことが明らかになった。
エヌビディア社は半導体メーカーであるが、仮想通貨のマイニングマシンに使用される半導体の製造も行なっていた。同社は、当初マイニングにおいて主流だったGPUを手がけていた。
しかし、ASIC(特定用途向け集積回路)によるマイニングが主流になると、ビットメイン社が台頭し、エヌビディア社の商品は供給過多となった。REUTERSの報道によると第3四半期で棚卸資産の引当金が5倍以上の7,000万ドルにも膨れあがったという。
昨年8月、エヌビディア社の第2四半期決算カンファレンスコールにおいて、CFOのコレット・クレス氏は「第2四半期の仮想通貨関連のプロダクトの売上は約1億ドル(約110億円)ほどに減衰すると予測していたが、実際には1,800万ドル(約20億円)にまで落ち込んだ」ことを認めていた。
こうした状況を受けて、ソフトバンクグループは昨年の12月、エヌビディア株を売却する方針であることが報じられていたが、今回売却が完了していたことが明らかになった形だ。
決算短信によると、ソフトバンクグループは昨年12月31日時点で、3,982億4,000万円相当のエヌビディア株を保有していた。日経 xTECHの報道によると、孫正義会長兼社長は会見でエヌビディアについて、「今回の売却によって4,000億円の損失となったが、(オプション取引を活用し)純利益では3,000億円くらいを取り戻した」とコメントし、トータルでは巨額の損失とならなかった点について強調したという。