強いセンチメントが調整売りをはね返すか。BTC=90~98万円レンジを予想

松嶋真倫

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Crypto Market Weekly 5月31日号

  • BTCは週初緩やかに価格を伸ばす中急騰し一時BTC=98万円を記録。週後半にかけては軟調な推移となったが、週足では10%以上の上昇となった。
  • BTCが急騰する中、主要アルトコインETH、XRP、BCH、EOS、LTC、BSVが揃ってBTC建てで上昇。ニューマネーのポートフォリオ組成の一環によるものか。
  • BTCはBTC=100万(9,000ドル)をトライするか。直近上値としてBTC=98万円(8,900ドル)、下値としてBTC=90万円(8,200ドル)を意識。

今週の相場動向

相場回顧 BTC:再び急騰し一時BTC=98万円を記録、週足では10%以上の上昇

BTCは、週初よりじりじりとBTC=88万円付近まで価格を伸ばすと、5/27に急騰し一時BTC=98万円を記録した。その後は急落を警戒してか軟調な推移となり、BTC=92万円付近まで下落する場面も見られたが、相場は底堅く週足では10%以上の上昇となった。

今週はBTC=88万円付近で上値の重い展開が続くと予想していた中での急騰だった。BTC=90万円を前にショートスクイズが入ったとの見方が強いが、同時にBTC建てで急騰したLTCの値動きが影響したとの見方もある。いずれにしても、米中貿易摩擦問題や英国メイ首相辞任などグローバルマーケットに暗雲が立ち込める中で、暗号資産市場における投資家の買い意欲は予想以上に強い。週後半の一時的な下落については、BCHおよびBSVの高騰が影響し売りが強まったものと思われる。

BTCが急騰する中、主要アルトコインETH、XRP、BCH、EOS、LTC、BSVが揃ってBTC建てで上昇した。個別で見た時には、ゴールデンクロス間近であることが指摘されたXRPや、中国でのフェイクニュースが影響したと言われるBSVおよびBCH、半減期前の上昇が期待されるLTCなど要因は様々考えられるが、一意に新しく市場に入り込んできた資金がポートフォリオ組成の一環でBTCから主要アルトコインに分散されたと考えるのが自然だろう。

今週のトピックス

  • Facebookが2020年に独自通貨GlobalCoinを用いた電子決済システムを構築する計画。(5/24)
  • BitwiseがBitcoin市場に関する新たな調査報告書を公表。(5/24)
  • bitFlyerが同社の100%子会社としてbitFlyer Blockchainを設立。(5/24)
  • Binanceが近々証拠金取引の提供を開始か、CEOが示唆。(5/24)
  • bitbankがAndroid向け公式アプリに生体認証による画面ロック機能を実装。(5/24)
  • 5/15のBCHハードフォークで二重支払いが起きていた可能性、BitMEX報告書。(5/24)
  • 暗号資産プラットフォームRobinhoodが新たに2億ドルを資金調達か、Bloomberg報道。(5/25)
  • ビットファクトリーがDApps用のモバイル署名管理サービス「Quragé Link」をリリース。(5/27)
  • QUOINEがLiquid by Quoineの証拠金取引方法に分離マージン方式を追加。(5/28)
  • BTCボックスが代表取締役の異動と資本増資を発表。(5/28)
  • ドイツ金融監督庁(BaFin)がCoinbeneに警告、商業登録やライセンス無しに運営か。(5/28)
  • オーストラリア証券投資委員会(ASIC)がポンジ・スキームとしてOneCoinについて警告。(5/28)
  • BitMEX運営会社が暗号資産関連の研究を実施する目的でマサチューセッツ工科大学(MIT)に寄付。(5/28)
  • 海運大手MSCとCMA CGMが貿易プラットフォームTradeLensに参加、Reuters報道。(5/28)
  • BarclaysとBold Capital PartnersらがフィンテックスタートアップCrowdz Invoice Exchangeに出資。(5/28)
  • bitFlyerが証拠金取引の最大レバレッジ倍率を15倍から4倍に引き下げ。(5/28)
  • bitFlyerが同社の取引サービスで暗号資産の自己売買を実施していることを報告。(5/29)
  • Zaifが簡単売買サービスにおいてMONA取引を再開。(5/29)
  • AP通信が用語集「APスタイルガイド」に暗号資産の分野を新設。(5/29)
  • Salesforceが独自ブロックチェーン「Salesforce Blockchain」を発表。(5/29)
  • Coinbaseが証拠金取引に前向き、低レバレッジで導入検討か。(5/29)
  • TaoTaoが取引所サービスを正式に開始。(5/30)
  • BUIDLは暗号資産交換業者向けAML/CFT対策ツール「SHIEDL」を発表。(5/30)
  • 暗号資産「億り人」18%減の271人、18年確定申告。(5/30)
  • SBI Ripple AsiaがMoney Tap加盟店決済サービスの実証実験を開始。(5/30)

来週の相場予想

BTCはBTC=100万(9,000ドル)をトライするか

海外ではFacebookの独自通貨Global Coinの話が大きく取り上げられ、業界企業を見ても大手取引所BinanceとCoinbaseが証拠金取引の提供を検討など業界に明るいニュースが見られる。また、国内でもbitFlyerの子会社設立やBTCボックスの資本増強、Yahoo関連取引所TaoTaoのサービス開始など交換業者を中心に新しい動きがあり、業界全体が上向いている。

その中、不安が広がる株式為替市場からの逃避先としての暗号資産市場の役割も強まっており、BTC=100万(9,000ドル)を超えるのはもはや時間の問題だろう。短期的な調整売りへの警戒は引き続き必要だが、上述した通り市場センチメントは予想以上に良好だ。

直近上値としてBTC=98万円(8,900ドル)、下値としてBTC=90万円(8,200ドル)を意識。

来週のトピックス

  • Cardano(ADA)がロードマップアップデート予定。(6/4)
  • Bitcoin.comがBCHのP2PマーケットプレイスLocal.Bitcoin.comをローンチ予定。(6/4)
  • Binance Coin(BNB)、FinanceXで開催中のTrading Competitionが終了。(6/4)
  • NEO(NEO)がDemo Workshopをシアトルで開催。(6/4)
  • WeAreDevelopers World Congress 2019がベルリンで開催。(6/6-7)
  • OKEx Talk 2019がタリンで開催。(6/6)
  • 財務相・中央銀行総裁会議が開催。(6/8-9)
  • Blockchain Cruise 2019が欧州で開催。(6/9-13)

業界関連動向

技術動向 XMRが新たなPoWアルゴリズムへの移行を計画

5/23、モネロ(XMR)がコンセンサスアルゴリズムとして採用しているPoWにおいて、新たな手法を採用した「ランダムX(RandomX)」への切り替えを10月に計画しているとコインテレグラフが報じた。

計画は分散型データストレージを利用したウェブサーバー環境の構築を目指すブロックチェーン開発企業Arweaveとの合意に基づいたもので、同社がその監査に資金を提供する。監査用資金はArweaveとXMR開発者共同で15万ドルに達すると予想されており、監査は今後2ヵ月間にわたり実施される予定だ。

XMRがこれまで採用していたアルゴリズムは「CryptoNight」と呼ばれるもので6ヶ月に一度ハードフォークしていた。これは特定用途に特化した集積回路-今回の場合だとマイニング-ASICの開発を防止することによって、一部の人たちにマイニングを独占されないようにするためであったが、頻繁なハードフォークは開発者とマイナーそしてユーザー全てにとって負担が大きいため、新たな改善策の必要性が訴えられていた。ランダムXはASIC耐性を向上して、CPUで効率よく動作するよう設計されている、とArweaveは主張している。

XMRはこれまで、ボットやマルウェアソフトによる不正マイニングが懸念されていた。ランダムXではマイニングに2GB以上必要とするようになっており、品質の悪いIoTデバイスでのマイニングが隠蔽しにくくなる。また、Webマイニングも匿名モードでは低いパフォーマンスしか発揮できなくなるため、不正防止にも繋がるとのことだ。

個別企業動向 BCHが51%攻撃で不正に対応

5/24、BCHに2つのマイナーが51%攻撃を行った、とCryptoconomyのホストであるGuy Swann氏がツイートした。この51%攻撃はBCHがハードフォークをした5/15日にBTC.top とBTC.comによって、正体不明のマイナーがハードフォークの際に本来ならアクセス不可能なコインを入手することを防ぐために行われたとのことだ。

51%攻撃は、マイナーが50%以上のハッシュレートを持つことでネットワークをコントロールできるようになることだ。それにより攻撃者は、他のマイナーによるマイニングを妨げたり取引記録を覆したり、二重支払いを実行したりもできる。通常は前述のような悪意を持った攻撃が想定されるが、今回の場合は不正を防ぐために行ったとされている。

マイニングシステムは多数のマイナーによってネットワークが分散管理されることで不正が防止されることにこそ価値がある。しかし、十分なマイナーがいない通貨の中には、これまで51%攻撃を受けたものも複数存在している。

BCHは時価総額が上位ながら度重なるハードフォーク騒動などでマイナー離れが進む傾向にある。その中で今回目を向けるべきは、不正防止の為とはいえ現に特定のマイナーによってBCHへの51%攻撃ができてしまったことだ。今後悪意あるBCHへの攻撃が起きたとすれば、市場への影響は避けられないだろう。

個別企業動向 バークレイズがブロックチェーン基盤為替取引への550万ドル投資を主導

5/28、イギリスの大手銀行Barclaysとテクノロジー投資ファームのBold Capital Partnersが、シリコンバレーのフィンテック系スタートアップであるCrowdz Invoice Exchange(Crowdz’s)に550万ドルの投資を行うことをプレスリリースで明らかにした。Crowdz’sは為替取引における伝統的なマニュアル作業を機械で自動化しようとしているとのことだ。

同社のCEOであるPayson E. Johnston氏は本件に関して、「現状の国際的な支払いには90~120日かかるが、これは中小企業にとって大変なキャッシュフロー問題だ。弊社ではわずか数日程度で受け取れるようになるだろう。」と述べている。

今回の投資では上記の2社以外にも3社が共同で投資をしている。投資資金は製品開発以外にも、マーケティングやセールス、人材確保に使われる予定だ。

Crowdz’sの新規性はインボイス処理までが自動化されたBtoBプラットフォームであることだ。中小企業にとってより大きな市場を求めて国外まで見据えることは競争の激しい現在において重要であるが、それにかかる手続きやタイムラグのコストは致命的だ。マーケットプレイスでありながら、金融機関の代替を目指すというのは面白い取り組みである。

コラム BTC価格が高騰しても、今の業界は過去と違いクリアに進んでいく

弟「なんでビットコイン取引はコインチェックがいいんだ、兄さん…まさか」

兄「兄さんが知らないはずないだろ」

弟「じゃあ、教えてよ!なんでビットコインはコインチェックがいいんだよ、兄さん…やっぱ知らないんだぁ泣」

兄「兄さんが知らないはずないだろ」

弟「じゃあ教えてよ!なんでビットコインはコインチェックがいいんだよ!やっぱ、知らないだよ!兄さん、知らないんだよ!」

兄「兄さんが知らないはずないだろ」

弟「じゃあ、教えてよ!Why!」

ご存知の通り、放映期間たった2カ月ながら一世を風靡したコインチェックの出川CMである。このCMを目にした時、あなたは「おっ、これからもっと価格が上がるぞ!」と前のめりになっただろうか、あるいは「うわぁ、いよいよバブル感出てきた、危ないな…」と自分にブレーキをかけただろうか。おそらくほとんどの人が前者だったと思う。現にCM放映が始まってからはメディア全般の露出も増えて、価格はさらに高騰した。その後の暴落によって多くの人が痛い目を見たわけだが。

世間での盛り上がりを正確に捉え、それが正常なのか異常なのかを見極めることは難しい。今年に入ってビットコインは再び高騰し始めているが、果たしてこれは正常なのだろうか、それとも異常なのだろうか。現状ではフェアバリューの定義が定まっておらず、その正解はわからない。しかし、2017年の動きとこれまでの業界動向を基に今後の展開を予想することはできる。ちょうど最近になってNHKをはじめ一部大手メディアがビットコインの価格高騰を報じるようになったばかりだ。

直近では価格が再び100万円を超えた時に世間の反応が見られるだろう。2017年の時も100万円を超えた途端に各メディアが一斉にビットコインに関して報道し始めた。当時世間は大きな驚きを見せていたが、おそらく今回は「へー、ビットコインまた100万円になったんだ」くらいの薄い反応になる。100万円を超えたからと言って、何も考えずに大勢がお金を暗号資産にぶっこむなんてことは、今回はしないはずだ。

次に、個人ないし企業がメディアに表立って姿を表した時だ。「寝てて朝起きたらお金が勝手に増えてるんですよー!」なんて馬鹿げたインタビューはこの先出てこないだろう。もしあったとしたら黄色信号だ。今回は、運良く一攫千金を成し遂げた個人ではなく、業界で活躍する企業メインで話が取り上げられることが予想される。その中で、謎の“コメンテーター”たちを交えた議論もまた展開されていくだろう。

そして、世間が業界の生まれ変わりを認知してようやく再開するCM放映。「兄さん、やっぱ知らないんだぁ!」「兄さんが知らないはずないだろ」に似たくだりがあれば笑いこけるところだが、そういったテイストのCMはすぐには放映しづらい。おそらく今ある金融機関CMのようなクリーンなイメージのものが、まずは大企業主導に世に配信されていくと思われる。業界で一社でもCM放映が始まれば、世間への波及効果は大きい。

最後に、読めない且つ悪影響を及ぼしかねないのがエンタメ業界での暗号資産の流行である。2018年絶頂期には、たむけんやかまいたちをはじめ芸人が次々と暗号資産の名前を口にし、話題にした。あのダウンタウン松本人志までもが「微々たるもの」とは言いながら暗号資産を保有していることが明らかになった。あの時現われた暗号資産アイドルは今ではどこに消えてしまったのか。どんなブームがこの世界で起きるのかは全く予測がつかないが、悪ふざけの影響をものともしない程に、今の業界はクリアに進んでいくと私は自信を持って言える。

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