【レポート】中国におけるブロックチェーンの市場動向と将来予測(2020)

編集部

 本調査レポートでは、「中国におけるブロックチェーンの市場動向と将来予測(2020)」と題し、ブロックチェーン領域における中国の最新動向や市場へのインパクト、将来予測等を定量・定性面から分析し、独自の考察を加えている。読者として想定しているのは、大企業の調査部門・R&D部門、コンサルティング会社、シンクタンク、官公庁、研究機関等である。また、海外のビジネスモデルを参考にしたいスタートアップや大企業の新規事業開発部門なども対象としている。

中国は米国に次ぐ経済大国でありながら、社会主義という性質上、民間企業の取り組みにも政府の意向が多分に反映される傾向にある。そのため、暗号資産関連の事業はほとんど存在しないに等しいが、ブロックチェーン事業に関しては、実稼働しているプロジェクトベースで多数存在する。「どのブロックチェーンを」「何のために」「どうやって」活用するのか、それによりどの程度の「経済的なインパクト」があるのか、といった観点から参考にすべき点も多い。にもかかわらず、日本での情報は著しく不足しており、中国のブロックチェーン動向に関する事項が体系的にまとまった媒体が存在しないのが現状である。そのため、本調査レポートを執筆するに至った。

第1章では、市場規模、調達額といった定量データや、規制、特区などの政策動向に触れ、グローバルにおける中国の立ち位置やブロックチェーンに対する政府のスタンスを確認する。第2章では、各産業におけるブロックチェーンの活用事例をプロジェクトベースで掘り下げている。また、その導入として、「現状分析」と題し、既存産業における課題とブロックチェーンに期待する役割を記載している。第3章では、中国の民間IT企業として代表的なBATH(Baidu, Alibaba, Tencent, Huawei)の動向を個社別に調査、分析し、ビジネス領域におけるトレンドを確認する。第4章では、香港、台湾のスタートアップの取り組みを調査し、中国本土との違いや今後のスタートアップのトレンドを考察する。

中国におけるブロックチェーンの市場動向と将来予測(2020)

目次 (全97ページ)
第1章 市場調査
 1-1. 市場規模
 1-2. 投資額
 1-3. 調達額とスタートアップ
 1-4. 企業数と業種の傾向
 1-5. 特許
 1-6. 規制
  1-6-1. Bitcoinのリスク防止に関する通知
  1-6-2. 第13次5か年計画
  1-6-3. サイバーセキュリティ法
  1-6-4. トークン発行の資金調達リスクの防止に関する発表
  1-6-5. ブロックチェーン情報サービス管理規則
  1-6-6. ブロックチェーン技術開発の現状と動向に関する第18回集合研究
  1-6-7. 仮想通貨の違法行為を防止するために/仮想通貨取引の監視に関する通知
  1-6-8. 金融安定性レポート
  1-6-9. 北京での暗号取引活動の防止に関する通知
  1-6-10. 暗号法 (Cryptography Law of the People’s Republic of China)
  1-6-11. 産業構造調整ガイドカタログ(2019年版)
 1-7. Bitcoinの取引量
 1-8. ブロックチェーン特区
 1-9. 総括(市場調査)
第2章 業界動向
 2-1. 四大商業銀行 [金融①]
  2-1-1. 中国の国営四大商業銀行の概要
  2-1-2. ブロックチェーンを活用した国際ファクタリングプラットフォーム『BCTrade2.0』
  2-1-3. ブロックチェーンを活用したローンサービス『e-Chain Loan』
  2-1-4. ブロックチェーンを活用したサプライチェーンファイナンス
 2-2. 保険業界 [金融②]
  2-2-1. 保険業界の現状と課題
  2-2-2. ブロックチェーンを活用したオンライン保険サービス「相互宝」
  2-2-3. 独自のブロックチェーン基盤「宝鶏チェーン」を活用した保険プラットフォーム
  2-1-4. 独自技術「AnChain Cloud Network」を活用した保険業界のブロックチェーン適応
 2-3. CBDC(中央銀行デジタル通貨) [金融③]
  2-3-1. CBDCの動向
  2-3-2. DC/EPの特徴とユースケース
 2-4. Golden Chain Alliance(金融区块链合作联盟(深圳)))[ICT①]
 2-5. 知的財産権 [ICT②]
  2-5-1. 知的財産権をめぐる現状と課題
  2-5-2. 国内裁判所におけるブロックチェーンを活用した権利証明・処理プラットフォーム
  2-5-3. 独自ブロックチェーン「ThunderChain」を活用した著作権管理システム
 2-6. 物流 [ICT③]
  2-6-1. 物流業界の現状と課題
  2-6-2. ChainNova(智链万源)の取り組み
 2-7. 貿易
  2-7-1. 貿易業界の現状と課題
  2-7-2. Bay Area Trade Finance Blockchain Platform(PBCTFP)
  2-7-3. Ping An Groupの天津港におけるとりくみ
 2-8. 医療
  2-8-1. 医療業界の現状と課題
  2-8-2. ブロックチェーンを活用した新型コロナウイルス情報の管理システム
  2-8-3. 独自ブロックチェーン「Indus Chain」を活用したマスク予約販売プラットフォーム
  2-8-4. ブロックチェーンを活用した医療電子請求処理
  2-8-5. 医薬品および医療機器のトレーサビリティ管理プラットフォーム
 2-9. 各業界のブロックチェーン活用に関する考察
  2-9-1. 金融業界に関する考察
  2-9-2. ICTに関する考察
  2-9-3. 貿易業界に関する考察
  2-9-4. 医療業界
第3章 BATHの動向
 3-1. Baidu
  3-1-1. 沿革
  3-1-2. 投資先
  3-1-3. 財務情報
  3-1-4. Xuper Chain(超级链)
  3-1-5. Baidu Cloud BaaS(百度云 BaaS)
  3-1-6. Totem(图腾)
  3-1-7. Baidu Baike(百度百科)におけるブロックチェーンの活用
 3-2. Alibaba Group(阿里巴巴集团)
  3-2-1. 沿革
  3-2-2. 投資先
  3-2-3. 財務情報
  3-2-4. Ant Financial(蚂蚁金服)
  3-2-5. Alibaba Cloud
 3-3. Tencent(腾讯)
  3-3-1. 沿革
  3-3-2. 投資先
  3-3-3. 財務情報
  3-3-4. 深圳市の地下鉄でブロックチェーンベースの電子領収書を導入
  3-3-5. ダイヤモンドのeコマース
 3-4. Huawei
  3-4-1. 沿革
  3-4-2. 財務情報
  3-4-3. Huawei Cloud Blockchain Service(BCS)
  3-4-4. 新型コロナウィルスによる肺炎対策に寄せられた寄付金を管理するプラットフォームの計画
 3-5. BATHの動向に関する考察
第4章 香港・台湾の動向
 4-1. 台湾のブロックチェーン動向
  4-1-1. 法規制
  4-1-2. ユースケース
  4-1-3. スタートアップ
 4-2 香港のブロックチェーン動向
  4-2-1. 法規制
  4-2-2. スタートアップ
 4-3. 香港・台湾のブロックチェーン動向に関する考察

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