大幅上昇でレンジはブレイク。まずはBTC=47万円を意識:Crypto Market Weekly 12月21日号

松嶋真倫

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今週の相場動向

相場回顧 仮想通貨市場全面高 上昇トレンドへ

BTCは週初軟調な推移となり一時BTC=35万円付近まで下落したが、その後は好材料が相次ぎ上昇基調へと転じた。

Bloombergの報道によりTetherの信用不安が緩和したことや金融庁の新規交換業者認可への期待が高まったことで買いが強まる中、ショートポジションの解消が進んでいる。また、今週は好転する仮想通貨市場とは反対に株式市場が大幅な下落となったことから、一部資金を振り替える動きも相場を押し上げたと考えられる。BTC=45万円付近まで回復し、週足では15%超の上昇となった。

仮想通貨全面高の状況下、BCHが70%を超える大幅上昇となり特に強い動きを見せた。この上昇についてはハードフォーク以降積み上がったショートポジションの解消が要因と思われる。

今週のトピックス

  • Binance、インキュベーションプログラムの対象企業第一弾を発表。(12/14)
  • エジプト中銀、ブロックチェーンを基盤とするデジタル通貨導入を検討。(12/16)
  • イスラエル金融企業GMT、RippleNet参入報道。(12/17)
  • Coinbase、仮想通貨交換サービスConvertをリリース。(12/17)
  • Zコーポレーション、来年3月にCoinDesk Japanを創刊すると発表。(12/17)
  • Huobi Japan、傘下に収めたBittradeにて口座開設の受付を開始。(12/17)
  • Tether社は十分な準備金を保有しているとBloombergが報道。(12/18)
  • LayerX、韓国仮想通貨企業ICONとの提携を発表。(12/18)
  • Coincheck、年内にも金融庁から交換業者登録の認可を取得かと報道。(12/19)
  • 英国税制サービス局が仮想通貨税制に関するポリシーペーパーを発表。(12/19)
  • Binance、マルタとゴゾの青少年支援の為の慈善キャンペーンを開始。(12/19)
  • 香港証券取引所、Bitmain社のIPOに難色を示す。(12/19)
  • Coinbase、学習して仮想通貨を稼ぐサービスCoinbase Earnをリリース。(12/20)

来週の相場予想

来週の相場予想

上昇基調継続となるか。これまでは相場に動きがなく様子見姿勢が強まっていたが、今週の大幅上昇により相場の均衡が破られた。

上昇期待が先行し買い優勢の展開になると予想するが、年末休暇前には投資家が揃ってポジションの整理を行うことから、短期筋による利益確定売りも入ると考えられ、相場はボラティリティの高い動きとなるだろう。追加的な好材料が出れば上昇トレンドを確定付け、買いが買いを呼ぶ展開が見込まれる。

直近上値としてはBTC=47万円付近が意識されるが、さらにBTC=50万円台を回復できるかに注目したい。

来週のトピックス

  • CME先物BTCZ18最終取引日。(12/28)
  • TRON、オープンソースプラットフォームをリリース予定。(12/29)
  • TenX、PAYトークンに代わるTenXトークン発行予定。(12/30)
  • ETC、EVMアップグレード予定。(12/31)
  • Stellar、Lightning技術サポート予定。(12/31)
  • NEM、Catapultのオープンソースおよび商業ライセンス化予定。(12/31)

業界関連動向

規制動向 金融庁 第11回目となる研究会で過去の議論を総括

12/14、金融庁は第11回目となる仮想通貨交換業等に関する研究会を開催し、これまでの議論の内容を総括した報告書(案)を発表した。

年初の大規模ハッキング事件を受けて今年の4月から始まったこの研究会では、国内の交換業者を巡る問題やICO規制、取扱通貨の是非、ウォレット業者への規制等様々な議論が展開されてきた。

また、国際的な場において仮想通貨が”Crypto Asset”と呼ばれていることから、日本でも呼称を「仮想通貨」から「暗号資産」へ変更すべきとの議論も盛り上がっている。仮想通貨の資産としての認識が強まったことで、参加者からは仮想通貨を現在の資金決済法ではなく金商法で取り締まるべきとの意見も出ており、来年はこれらの議論を踏まえた上で金融庁が自主規制団体(JVCEA)とも連携しながら新たな業界規制の整備を進めていくと思われる。

証券法に沿った仮想通貨の取り締まりは世界的なトレンドであり、日本での金商法の適用は時間の問題と言えるかもしれない。

技術動向 Blockstream社が開発する通信衛星サービスは世界インフラとなるか

12/18、BTCの技術開発を行うBlockstream社が、昨年8月に発表した通信衛星サービスBlockstream Satelliteのサービス内容を拡充した。

当初の発表では回線が受信専用かつ対象地域が南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカに限られていたが、今回のアップデートで双方向通信に対応および日本を含むアジア太平洋地域まで対象が拡大した。これにより、ユーザーは世界中どこにいてもBlockstream社が借り受けた衛星通信の回線を利用することで、ブロックチェーンの同期やトランザクションの送信が可能となる。

来年には高速少額決済を実現するLightning Network技術をサポートすることに加え、暗号化通信技術の一つOnion-Routingを併用することで秘匿性あるBTCの利用が可能になる予定である。本サービスは国境を超えた地球規模のインフラとしてユーザーのネットワーク参加を促す効果が期待されているが、その有効性については不透明な部分も多く引き続き注目が必要である。

個別企業動向 テックビューロHD がCOMSA COREをβリリース

12/18、ICOプラットフォームCOMSAの開発を進めるテックビューロHDは、複数のブロックチェーン上でトークンセールを可能にするソフトウェアCOMSA COREのβ版をリリースした。

プレスによれば、このソフトウェアは異なるブロックチェーン間でトークンのペグと制御を行い、それぞれの価値をトークンに変換し、ネットワーク全体の総量をコントロールする。今回のβ版では、ETHとNEMのブロックチェーンのテストネット上でCMSのテストトークンを1対1の割合で変換することで、2つのブロックチェーン間でトークンを送受信することが可能となる。来年夏頃の正式版リリースを目標に開発を進めており、実用化されればトークン流動性やユーザー利便性が向上すると期待されている。

日本では海外に比べてICOによる資金調達事例がまだまだ少ないが、COMSAは国内のICO普及を促進することができるだろうか。

コラム 年末年始はICOプロジェクトの良し悪しを見極める時期として最適

年末に差し掛かり、BTC価格とは別に気になるのは各国におけるICOプロジェクトのロードマップ進捗である。少し前には一部の業界人が「このプロジェクトは開発が早い/遅い」などと評価する風潮も見られたが、今となってはICOプロジェクトが開発遅延することは業界で当たり前のこととなり進捗云々の話はほとんど聞こえない。

一声に開発進捗と言っても、構想が薄く簡単なプロダクトをロードマップ通りに開発していることが良いとも言えず、必ずしも開発が遅れているプロジェクトが悪いとは言えないのである。しかし、何かに遅れた時の対応の仕方はこの話に限らず受け手の印象を大きく変える。

このことを考えた時に、ふと私の前職時代が想起された。「何か事態が起きて期限を守ることができないと分かった時は、そのことを報告して新しい期限を設定しろ」と耳にタコができるくらいに上司から言われていた。つまり、時効の中断を図れということである。もちろん相手に多大な迷惑がかかるものについては期限を厳守しなければならない。しかし、そうではないものについては期限を守らなかったことに対して上司から叱られたことはなく、激怒される時は決まって報告を忘れた時であった。ビジネスマンであればわかると思うが、仕事の基本である。

このような観点でICOプロジェクトを見た時に“仕事の基本”ができているところは意外と少ないように思う。進捗が遅れてもロードマップの更新すらせず、ユーザーには何の報告もないプロジェクトが大半ではないだろうか。そんな“仕事ができない人間”は周囲からの信頼を損ねて当たり前である。逆を言えば、たとえロードマップ通りの開発とはなっていなくとも、時効の中断を図り誠意ある報告をユーザーに対してしていれば、ユーザーがそのコミュニティからすぐに離れることは無いに違いない。2018年をまもなく終えようとしているが、プロジェクトの良し悪しを判断するには良い機会である。

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