RippleNet(リップルネット)とは

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RippleNet(リップルネット)は、瞬時に、世界中に価値を届けることを可能にするネットワークだ。xCirrent、xRapid、xViaという3つのプロダクトと、XRPという仮想通貨により成り立っている。

ここでは、リップル社のビジョンに触れた後、現在も拡大が続くリップルネットについて概観していく。

リップル社とは

リップル社は、Chris Larsen氏らによって2012年に設立された。同社のビジョンは、情報が瞬時に価値に変えられる世界観「Internet of Value(IoV)」を実現することだ。

現在、情報は瞬時に世界中を移動するが、価値の移動はそうではない。国際送金には、依然として多くの手数料や時間を要する。

IoVが実現された世界では、オンライン上で文字や画像、音楽が瞬時に送れるように、支払いも一瞬で完了することができる。お金だけではなく、株や知的財産、科学的発見まで、あらゆる人のあらゆる価値がやり取りされる。その橋渡しの役をするデジタル資産こそがXRPだ。

そのIoV実現のため、同社が取組んでいるものがリップルネットだ。同社はリップルネットを構築し、国際送金市場を変革しようとしている。既に世界中の200を超える銀行や決済業者が、リップルネットに参画している。

リップルネットとは

RippleNet」とは、リップル社が提供し、ブロックチェーンの力を用いて国際送金を円滑にするためのネットワークのことを言う(厳密にはブロックチェーン技術ではないという意見もあるが、ここではブロックチェーンとして扱う)。

同社によれば、既存の国際送金システムは、速度・価格・確実性・利便性と主に4つの問題を抱えているという。送金には3~5日の時間と年間約1.6兆ドルもの費用がかかり、4%もの送金処理が失敗している。また、世界中でネットワークが分断されているため、使い勝手も悪い。

リップルネットは、金融機関を中心とする参加者とリップル社との間に合意を形成することで、送金を低コストで、即時に、確実に行うことができる。統一されたネットワークを使用するため、送金処理の可視化にも繋がる。

前述したように、リップルネットはxCurrent・xRapid・xViaの3つのプロダクトを擁する。以下では各プロダクトについて利用者や役割を解説していく。理解を進める上で、送金処理を分解すると大きく下記の2点に分けられることに留意したい。

  • ペイメント
    送信元、受取人、金額などの送金情報の伝達を行うこと。実際には資金の移動とは別。支払い
  • セトルメント
    ペイメントの情報に基づく実際の資金移動を行うこと。決済

xVia


xViaは、支払い業社および銀行向けの標準インターフェースだ。支払い業者は、ソフトウェアをインストールする必要はなく、APIに接続するだけでリップルネットの高速なペイメントを行うことができる。

xViaは、リップルネットを利用するもっとも簡単な方法として、リップル社のウェブサイトでも紹介されており、利用者は一般企業や銀行などが該当する。xViaの利用者が国際送金を行う場合、送金情報が後述するxCurrentを導入している銀行へ送られる。その情報は、xCurrent導入企業同士の通信により、処理される仕組みだ。請求書などの添付ファイルを含む処理も、スムーズに行うことができる。

これまで、企業が金融機関同士の既存ネットワークに参入するには、多くの時間と費用がかかっていた。しかし、xViaを利用することでそうしたコストを減らすことができるだけでなく、従来の銀行口座に加えて、ウォレットへの送金も瞬時に行い追跡することができる。

xCurrent


xCurrentは、主に国際送金を最終的に行う銀行が導入するソフトウェアだ。xCurrentを導入した銀行同士であれば、法定通貨を利用したペイメント(支払い/送金情報の伝達)をリアルタイムに行うことができる。

なお、xViaもxCurrentも、下記のような特徴を持つ。

  • ペイメント=送金情報の伝達をリアルタイムで行っている
  • 法定通貨を使用している

一般的に国際送金では、ペイメントとセトルメントが別々に行われている。xViaやxCurrentは、このペイメントに当たる部分をリアルタイムで行うための技術だ。ペイメントの情報に基づき、各機関は既存のシステムを利用して、法定通貨を介してセトルメントを行う。

ただし、xViaはネットワークを利用する側であるのに比べ、xCurrentはネットワークを構成する側だ。そのためxCurrentは、銀行が導入することを前提に設計され、銀行が使用する既存のAPIインターフェースや、送金メッセージのフォーマットに接続できるようになっており、低コスト且つ短期間で統合できる。また、コンプライアンスや情報セキュリティの枠組みなど、銀行が抱えるリスクも考慮されている。

xCurrentの基盤には、Interledger Protcol というオープンプロトコル(規格)が使用されている。この技術により、異なる台帳や送金ネットワークの間でも、相互に処理を行うことができる。

xRapid


xRapidは、XRPを用いてセトルメントを行う仕組みで、銀行を含め国際送金を行う様々な企業が導入できる。xViaやxCurrentのみを導入した企業は、法定通貨によるセトルメントを行う。これにxRapidを組合せることで、XRPを介した高速なセトルメントを行うことができる。

前述の通り、これまでの国際送金では大きなコストがかかっていた。同一国内での銀行同士の送金には、中央銀行にある各銀行の口座で振替が行われるため、統一されたルールのもと比較的速く送金処理が行われる。しかし、異国の銀行同士ではそれができないため、コルレスバンクという中継役の銀行がセトルメントを代行する。コルレスバンクは、他国のコルレスバンクに口座(ノストロ口座)を持って大量に現地通貨を保有しておき、それを通じて決済を行っている。この方法では、中継点が多いため、特にセトルメントには多くの時間を要する。

xRapidを導入すれば、XRPを介することで、ノストロ口座を経由することなくセトルメントを完了することができる。そのため、大量の外貨を保有しておく必要もない。XRPが各通貨を仲介するため、銀行以外の金融機関に対する国際送金も可能だ。

リップルネット参加企業/プロジェクト


現時点で参加を表明している企業や団体、プロジェクトで、比較的規模の大きいものは以下の通りだ。

  • 中央銀行
    Saudi Arabian Monetary Authority(SAMA/サウジアラビア通貨庁)、Bank of England(イングランド銀行)
  • 国内大手金融機関
    三菱UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、SBIホールディングスなど
  • その他海外金融機関
    バンクオブアメリカ メリルリンチ、サンタンデール銀行、UBS、アメリカンエクスプレス、マネーグラムなど

この他、現在では200社を超える企業や団体、プロジェクトがリップルネットへの参加を表明している。その中でも、プロジェクトに大きく関わる企業として、以下が挙げられる。

  • SBI Ripple Asia
    SBI Ripple Asiaは、SBIとリップルが知見と技術を合わせることで日本及びアジアでIoVを実現することを目指し、2016年に東京で設立された企業。日本国内47行(2017年2月末現在)が参加する内外為替一元化コンソーシアムの事務局を務めている。内外為替一元化コンソーシアムは、外国為替に加えて内国為替も一元的に行う決済プラットフォーム「RCクラウド」をRipple Solutionから構築した。実用化されると、銀行の垣根を越えて決済や送金が効率的に行われる。
  • xPring
    ブロックチェーン技術、とりわけXRP Ledgerを用いて産業構造を変えようとしているベンチャーに支援する目的で設立されたのがxPringだ。インフラストラクチャやパートナーシップの構築、投資をすることによってプロジェクトの成長を促す。

リップルネット競合他社/プロジェクト

前述のように国際送金市場において変革を目論むリップル社だが、リップルネットの競合となるプロジェクトも存在する。

SWIFT(国際銀行間通信協会)

200 を超える国と地域における 11,000 以上の銀行、証券会社、市場インフラ、事業法人等をつなぐ通信プラットフォーム、および各種製品・サービスを提供している。SWIFT自体は資金を保有せず、顧客の口座を管理しないものの、グローバル・コミュニティのユーザーに対し、金融メッセージ(ペイメント)を確実に交換する方法を提供することで安全なコミュニケーションを可能にしている。

JPモルガン

銀行間送金ネットワークInterbank Information Network(INN)を構築。同社が開発したブロックチェーンQuorum(クォーラム)をベースにし、世界157の銀行が参加している。銀行間で情報共有を加速させ、決済取引の迅速化を目指している。

また、Quorum上でステーブルコインのJPMコインを開発している。価値は1米ドルと連動しており、現在は米ドルのみ対応しているが、今後他の通貨にも拡張予定だ。

しかし、JPMコインについては、プライベートなネットワークでの使用が想定されており、その必要性を疑問視する声も上がっている。リップル社のCEOのBrad Garlinghouse氏も、否定的な見解を示している

IBM

リアルタイム国際送金ネットワークIBM Blockchain World Wireを用い、6つの国際的な銀行とステーブルコインを発行することを2019年3月に発表した。現段階では構想が発表され、国際送金市場への参入か、と報じられたたばかりであり、今後の展開を注視したい。

R3

R3社は、R3コンソーシアムを構築し、ブロックチェーン技術を用いた様々なソリューションを、主に金融機関向けに提供している。日本の企業でもメガバンク3社が参加している。コンソーシアムでは、オープンソースの分散型元帳プラットフォームCordaが使用されている。

Cordaを用いたサービスとして最も代表的なのが、Corda Settlerだ。Cordaプラットフォーム上で発生したトランザクション専用の国際送金アプリケーションだ。

リップルとは一時XRP購入の合意を巡って法廷闘争を繰り広げていたが、2018年9月に和解が成立している。プロジェクトの方向性として競合と思われてきたが、2018年12月にはCorda Settlerが決済通貨としてXRPを採用するなど、協調路線も見え始めている。また、SBIホールディングスも出資している。

XRP価格への影響は?


リップル社は、リップルネットを拡大することにより、国際送金市場をより便利なものへ変革しようとしている。大手銀行を含め、すでに200社以上がリップルネットへの参加を表明している。リップルネットに関する話題は、頻繁に報道されている。

ここで気になるのが、そうした報道を仮想通貨市場の視点から見た時に、XRP価格へどう影響するかだ。そのため、現在のリップルネットに関連する取組みの上で、直接的な影響が考えられるのは、企業によるxRapidの導入だ。xRapidの導入企業が増えるにつれ、一般的にはXRPの需要が高まることが予想される。

前提として、XRPは総発行数1000億枚で、これ以上増えることがない。2019年4月現在、XRPは、リップル社が6%、市場に流通しているものが42%、エスクローが52%保有している。エスクローとは、XRPの供給量を人々が安心して把握できるための預託口座だ。リップル社が抱えているXRPが市場に氾濫することがないように2017年に550億枚をこちらに移した。1ヶ月に10億枚ずつ使用可能になる。ただし、使われなかった分はエスクローに戻っていく。

XRP価格は、XRPの需要が高まった時に上昇が見込まれる。前述したリップルネットの役割から考えると、XRPが利用されるのは、銀行や決済業者がxRapidを導入し、XRPによってセトルメントを行う場合だ。

一方、xCurrentやxViaの採用に関しては、XRPを必ずしも使用しないため、価格への直接的な影響はない。ただし、ネットワーク全体の参加者増加によってXRPの需要が増加したり、あるいは将来的にxCurrentやxViaの利用者もXRPを利用するようになったりすれば、間接的に価格上昇への期待が高まるだろう。

このように、リップルネットではネットワーク効果が働くため、採用者が増えるごとに需要はさらに高まり、既存のシステムを使用する企業は、競合に後れを取ることになる。今後は、さらに様々な企業がXRPを決済手段として使用する可能性もある。

Garlinghouse氏は、以下のように述べている。

「退屈なソフトウェア会社で終わるつもりはない。ソフトウェアはXRPの流動性を高めるという目的のための手段だ」

(画像は「Ripple」ウェブサイトより)

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